住宅購入 — お金の知識
住宅ローンを
正直に、深く解説する
人生最大の買い物に使う住宅ローン。金利の仕組みから、借りすぎの目安、団信の活用、繰上げ返済vs投資の損得計算まで。
⚠️ 2026年4月、変動金利が15年ぶりに1%台へ。金利のある世界が戻ってきました。「低金利が続く前提」で借りすぎるのは危険です。このページを読んでから借入額を決めてください。
このページの内容
① 2026年最新の住宅ローン金利
2024年3月のマイナス金利解除以降、日銀は3回の追加利上げを実施。住宅ローン金利は変動・固定ともに上昇局面が続いています。
主要金利の水準(2026年4月時点)
変動金利(ネット銀行)
0.6〜1.1%
15年ぶりに1%台へ
固定10年(ネット銀行)
約2.5%
前年比+0.65〜0.93%
フラット35(全期間固定)
2.49%
前月比+0.24%(2026年4月)
メガバンク 変動(店頭)
3.125%
基準金利(引下げ前)
変動金利(適用金利・ネット銀行最安水準)の推移
出典:各種資料をもとに作成。適用金利は審査・条件により異なります。
政策金利の見通し:エコノミスト約40名の予測では、現在の0.75%から2026年12月末までに約1.0〜1.1%まで上昇する予測があります。変動金利はこれに連動してさらに上昇する可能性があります。
② 変動 vs 固定 — どちらを選ぶべきか
「絶対にこちらが正解」はありません。自分の状況・リスク許容度・返済計画によって変わります。
変動金利
0.6〜1.1%
- 今の返済額が抑えられる
- 繰上げ返済でリスクをコントロール可
- 金利が下がれば恩恵を受けられる
- 将来の金利上昇で返済額が増える
- 5年ルール・125%ルールで未払い利息が発生することも
向いている人:余裕資金がある・繰上げ返済できる・共働きで収入安定・返済期間を短くできる
全期間固定(フラット35)
2.49%
- 返済額が一生変わらない安心感
- 金利上昇リスクゼロ
- 長期収支計画が立てやすい
- 今の返済額が変動より大きい
- 金利が下がっても恩恵なし
向いている人:収入が不安定・心理的に金利変動が気になる・子育て・教育費と重なる期間が長い
金利差による総返済額シミュレーション
借入3,000万円・35年返済の場合
| 金利タイプ | 適用金利 | 月返済額 | 35年総返済額 | 利息総額 |
|---|---|---|---|---|
| 変動(ネット銀行) | 0.9% | 約86,100円 | 約3,615万円 | 約615万円 |
| 変動(今後1%上昇想定) | 平均1.5% | 約91,500円 | 約3,844万円 | 約844万円 |
| フラット35 | 2.49% | 約107,200円 | 約4,503万円 | 約1,503万円 |
| メガバンク(変動・高め) | 1.1% | 約87,800円 | 約3,688万円 | 約688万円 |
※変動金利は今後変動します。上記は試算であり将来を保証しません。変動金利が今後2%まで上昇した場合、フラット35と同水準以上になる可能性もあります。
⚠️ 固定期間選択型(10年固定など)に注意。当初10年間だけ低金利で、終了後は変動か高い固定に移行します。「10年後の金利がどうなるかわからない」という意味では変動より予測が難しいケースも。契約前に「10年後の金利」を必ず確認してください。
③ いくらまで借りていいのか
金融機関の審査で「借りられる額」と、家計が「無理なく返せる額」は全く別物です。多くの人が「借りられる額いっぱいに借りる」という最も危険な選択をします。
借入適正額の目安
年収倍率の目安
5〜6倍以内
年収500万円なら2,500〜3,000万円
月返済額の目安
手取りの25%以内
手取り30万円なら月7.5万円まで
審査の返済負担率
35%前後
これで借りると家計が苦しくなる
よく見落とされるコスト:諸費用(物件価格の3〜7%)、固定資産税(年10〜30万円)、修繕積立金(マンション)、将来の大規模修繕(戸建て)、引越し・家具費用、子の教育費とのダブル出費。住宅ローンの返済額だけで計算すると危険です。
🚨 「借りられる額」で借りてはいけない。金融機関の審査基準(返済負担率35%前後)でMAX借りると、子育て・教育費・老後資産形成との両立が極めて難しくなります。「無理なく返せる額」は審査通過額の7〜8割以下が目安です。
④ おすすめネット銀行の比較
住宅ローンはネット銀行が圧倒的に低金利です。メガバンクの窓口で契約するのは基本的に損です。
| 銀行 | 変動金利(目安) | 事務手数料 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 住信SBIネット銀行 | 0.448〜0.7%台〜 | 借入額×2.2% | SBI証券連携。団信が充実。審査が通りやすい。 |
| 楽天銀行 | 0.6〜0.8%台〜 | 借入額×2.2% | 楽天経済圏ユーザーに◎。全疾病保障の団信あり。 |
| PayPay銀行 | 0.6〜0.8%台〜 | 借入額×2.2% | 金利が安定的に低め。団信に安心保障特約あり。 |
| SBI新生銀行 | 0.55%〜 | 55,000円(固定) | 事務手数料が安い。借換えに強み。 |
| フラット35(住宅金融支援機構) | — | 銀行による | 全期間固定2.49%。金利上昇リスクゼロ。 |
| メガバンク(参考) | 0.77〜1.1%台〜 | 借入額×2.2% | 対面相談できる安心感はある。ネット銀行より高め。 |
※金利は2026年4月時点の目安。条件・審査結果により異なります。事務手数料は一例。
SBI証券・楽天証券ユーザーへ:住信SBIネット銀行はSBI証券と、楽天銀行は楽天証券と連携することでローン金利優遇や預金金利アップなどの特典があります。すでに口座がある人は同じ経済圏でまとめるのがお得です。
⑤ 団信(団体信用生命保険)の賢い使い方
団信はほとんどの住宅ローンに自動でついてくる保険です。内容を正確に理解すると、民間保険の見直しに直結します。
団信の基本
住宅ローン返済中に死亡または高度障害状態になった場合、保険金でローン残債が全額完済される保険。保険料はローン金利に含まれており(または上乗せ)、別途払う必要はない。フラット35は任意加入(別途保険料)なので注意。
団信の種類と比較
| 種類 | 保障内容 | 金利上乗せ目安 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 一般団信 | 死亡・高度障害 | 0%(多くの場合無料) | 基本。これだけでも十分なケース多い。 |
| がん団信 | 上記+がん診断で残債0 | +0.1〜0.2% | がんリスクが心配な人に。民間がん保険を解約できる可能性も。 |
| 3大疾病団信 | 上記+急性心筋梗塞・脳卒中 | +0.2〜0.3% | 保障が手厚い。金利上乗せコストと比較して判断。 |
| 全疾病団信 | 病気・けがで就労不能 | +0.1〜0.3% | 最も手厚い。傷病手当金との組み合わせも考慮して。 |
民間保険の見直しポイント:団信の一般団信に加入したら、同額の死亡保障の民間保険は重複します。ローン残債が減るにつれて必要な死亡保障額も減るので、住宅購入後は生命保険の減額・解約を検討しましょう。
⚠️ フラット35は団信が任意加入です。加入しない場合、死亡時に遺族がローンを引き継ぐことになります。フラット35を選ぶ場合は必ず団信に加入してください(機構団信:金利+0.2%相当)。
⑥ 住宅ローン控除(減税)の活用
住宅ローン控除は2030年まで延長が決定。正確に理解して最大限活用しましょう。
控除率
0.7%
年末ローン残高の0.7%が所得税・住民税から戻る
控除期間
最長13年
新築・認定住宅の場合。中古は10→13年に延長(2026年〜)
借入限度額(認定長期優良・子育て世帯)
5,000万円
最大13年間で最大455万円の減税(所得税・住民税の範囲内)
2028年〜の注意点
省エネ基準必須
2028年以降、省エネ基準未適合の新築は控除対象外に
住宅ローン控除と繰上げ返済・iDeCoの注意点
- 繰上げ返済すると控除額も減る:ローン残高が減るため控除額も減少。控除期間終了後(14年目以降)に繰上げ返済するほうが有利なケースが多い。
- ふるさと納税の上限が下がる:住宅ローン控除で住民税が減ると、ふるさと納税の控除上限も連動して下がる。購入年はシミュレーションし直すこと。
- iDeCoとの組み合わせ注意:iDeCoの掛金控除と重なると、所得税が低くなり住宅ローン控除を使い切れないケースも。年収・納税額を確認して。
- 初年度は確定申告必須:2年目以降は年末調整でOK。初年度の申告漏れは控除ゼロになるので注意。
⑦ 繰上げ返済 vs 投資 — どちらが得か
余剰資金ができたとき「繰上げ返済すべきか・NISAで投資すべきか」は多くの人が悩む問題です。数学的な答えがあります。
基本ルール:「住宅ローン金利」vs「期待投資リターン」で決まる。
ローン金利 < 投資リターン → 投資が有利
ローン金利 > 投資リターン → 繰上げ返済が有利
| ローン金利 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 0.7%未満 | NISAで投資を優先 | オルカン・S&P500の期待リターン(年5〜7%)がローン金利を大きく上回る。繰上げ返済より投資の方が数学的に有利。 |
| 0.7〜1.5% | 両方バランスよく | 住宅ローン控除(0.7%)との差が小さい。控除期間中は控除を優先し、13年後に繰上げ検討。 |
| 1.5%以上 | 繰上げ返済を優先 | 確実な利息削減の方が投資リターンより安定的。心理的安心感も大きい。 |
繰上げ返済 vs NISA投資 シミュレーター(借入3,000万円・変動0.9%の場合)
繰上げ返済した場合
20年後の利息削減額
約49万円
NISAで投資した場合
20年後の運用益(年率5%)
約242万円
※繰上げ返済は期間短縮型、NISA投資は年率5%の試算。ローン金利0.9%・税制優遇考慮なしの簡易計算。将来の運用成果を保証するものではありません。
⚠️ ただし「心理的安心感」も大事です。「借金がある」ことが精神的なストレスになる人は、数学的に不利でも繰上げ返済を優先してよいです。お金の意思決定は数字だけではありません。
住宅ローンはネット銀行から選ぼう
まず複数のネット銀行で仮審査を通してから比較するのが鉄則。審査は無料で、通したからといって必ず借りる必要はありません。